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重症心身障害児や医療的ケア児にかかわる医療・福祉・教育・保健などの専門職にとっての重要なミッションのひとつは、地域で暮らす子どもやその家族の日常生活をサポートすることです。
医療的ケアの必要な子どもの生活を支えるためには、①生命の安全(生命の安全と保障、苦痛の緩和と除去)、②健康の維持(体調の安定、体力の向上)、③社会生活(遊び、出会い、外出、学び、仕事)、の3要素が必要であることが提唱されており、これらの要素が全てそろうことにより、子どもや家族のQOLは保障されます。これら3要素に関連する生活の柱となるのが、「摂食嚥下」と「栄養」です。
重症心身障害児や医療的ケア児は幼少期から嚥下障害を多く認めることが報告されています。嚥下障害には、解剖学的要因、神経学的要因、環境的要因、社会的要因など多因子が関与しているため、一般的に嚥下障害への対応は困難と考えられています。
多因子がかかわる複雑系を紐解き、重症心身障害児や医療的ケア児が抱える「摂食嚥下」と「栄養」の問題に取り組んでいくために今後ますます求められてくるのが、病院や施設、学校、在宅などの「ステージを超えた食支援」と「職種を超えた食支援」です。ステージや職種を超えた相互理解のためには、まずは摂食嚥下・栄養に関する基礎的知識を理解し、嚥下障害への対応法を共通認識できる機会が必要です。
本セミナーでは、実際の嚥下機能検査の画像を見ながら、摂食嚥下マネジメントについての理解を深めることを目的としています。また、栄養管理や食形態調整など、生活していく上で欠かせない栄養マネジメントについて、体験型セミナーを行うことにより、「摂食嚥下」と「栄養」の密接なかかわりを学べる機会にしたいと考えております。